横浜の牛鍋の老舗『荒井屋 本店』で記念日のディナーに牛鍋を頂きました。歴史あるお店の完璧な料理に接客で最高の時間が過ごせました。
開港1859年の開港により外国からもたらされた物は色々とありますが、その中のひとつが牛肉を食べる習慣。江戸時代まで禁忌として牛肉を食べることはほぼありませんでしたが、明治5年、天皇が宮中で牛肉を食べたことをきっかけに普及し、横浜で牛鍋を提供する店が次々にオープンしました。
荒井屋は牛鍋発祥の地の横浜で3本の指に入る老舗で、なんと創業は明治28年。他の2軒は同じく伊勢佐木町の『じゃのめや』と『太田なわのれん』
荒井屋の本店は横浜の繁華街伊勢佐木町にあり、JRの関内駅からはイセザキモールを通って10分ほど。それ以外に港に近いところの万國橋店、横浜駅東口のそごう店、横浜駅西口の新店舗ARAIYA NESTがあります。
荒井屋 本店
事前に電話で予約してから訪れましたが、店内は年末からか半分くらいの客入りでしたでしょうか。1階のテーブルに案内されました。2階には座敷もあるそうで、全100席の大きな店です。
メニュー
コース推しのようですが、今回は席だけ予約し、単品で前菜と牛鍋をいただきました。
月替わりのメニュー。お酒は神奈川県泉橋酒造の純米酒いずみ橋をいただきました。
メインの鍋物の単品のメニューは3種類。肉のグレードで値段が違います。
名代「牛鍋」
- あおり 3,800円
- 特選 5,000円
- 特選霜降り 7,000円
すきやき
- 特選 5,000円
- 特選霜降り 7,000円
- ひれロース 9,000円
しゃぶしゃぶ
- 特選（赤身） 3,800円
- 特選霜降り 7,000円
今回は名物の牛鍋の特選を2人前(5,000円x2)にご飯、〆のうどん、そして前菜に牛串焼き(750円)、胡麻香る揚げじゃこと豆腐のサラダ(1000円)を注文しました。
牛鍋のお肉は霜降りは脂が多すぎるのもどうかと思ったので、特選にしました。仙台牛だそうです。
仲居さんに牛鍋、すきやきの違いを聞いたところ、すき焼きは最初に肉を焼いてから割下を入れ、牛鍋は最初から割下を入れるだけが違いで後は同じだそうです。
牛串焼
ロール状になった牛肉が4個、串に刺されて出てきました。牛肉の旨味が濃厚な串です。
2人でシェアするとちょうど良い量でした。
胡麻香る揚げじゃこと豆腐のサラダ
2品目はサラダ。
色々な種類のレタス、大葉、バジルなどのハーブ、揚げたじゃこが豆腐にたくさん乗っていて、その上に鰹節。
全体の調和が素晴らしく、色々な具材が入っていて、飽きません。これだけで十分満足、って感じもしてしまうほど美味しいサラダでした。
牛鍋
牛鍋は最初は仲居さんが調理してくれました。
最初に鍋に割下を少し入れ、ネギ、豆腐、しいたけ、白滝、春菊を少しずつ。そして、サシが綺麗に入った牛肉を数枚。
最初のお肉はちょうど良い具合に火が通ったところを見極めて、仲居さんが溶いてくれた卵に入れてくれました。
ちょうど良い具合に火が通った牛肉を溶き卵に。
すき焼きと違う、焼いていない牛鍋ならではのふわっと柔らかなお肉に甘くもなくしょっぱくもない絶妙な具合の割下が完璧なハーモニー。
残りのお肉と野菜は自分で調理します。
皿の上の牛肉は大きなお肉が2枚づつ程度でしょうか。最初の1枚と合計して、1人前で120g。牛肉は少し見た目、味が違う部位が2種類入っていました。
追加の野菜はねぎがたくさん、豆腐、椎茸、春菊、白滝です。
テーブルには調整用の濃いめと薄めの割下が用意されていました。
牛肉が美味しいのはもちろんですが、それ以上に凄いのが甘み、醤油味などが完璧に調和した絶妙な味の割下。今までに出会ったことのない完璧な味です。牛鍋用の鍋が低めの完全な温度で保たれていて、すぐに煮えすぎて割下が濃くなったりもしません。
また煮続けても割下の味が濁らないのはネギ以外の具が少なく、すき焼きによく入っている白菜なども使われていない為でしょうか。
全てが完璧です。
〆のうどん
牛鍋の〆はうどんかきしめんが選べるのですが、うどんにしました。
これも店員さんが調理してくれます。
残った割下に少し濃い割下を入れて味を調整し、うどんに汁を全て吸わせて出来上がり、ですが、これが絶品。こんな美味しい〆は初めてかも、です。
さすがの老舗で、店内の雰囲気、接客、料理も完璧で、楽しい時間が過ごせました。記念日などにちょうど良い店だと思います。
